当日、小夜子は指定された駅で迷子になっていた。 (だ、誰もいない……) 昼過ぎの微妙な時間帯の為か、駅舎はがらんと広く、 小夜子は何となく居心地の悪い思いをしていた。 早く着きすぎたのだろうか。 いや、そうではない。 携帯電話で時間を確認した。 もう少しで、集合時間のはずだった。 落ち着かないのは、時間を潰す場所が無いという事もあった。 売店すら無い。 だから小夜子は、ただ当てもなくうろうろするしかなかった。