その夜、私はひとり、自室のベッドで考えていた

知人の男の言ったことをだ

伯父の手前 何も言わなかったが、お兄ちゃんが今日来なかったなど信じていなかった

必ずいた。

お兄ちゃんが綺麗な女の人に連れていかれたあとを追い、男と出会い、兄が男になぐりかかった

殴る理由なんてあったのだろうか?

男の話の流れで分からなかったことは3つ

私をお姫様と表現すること
日光が苦手だと言うと驚いたこと
それと、兄に近づいてくれるな、という忠告

どういうことなの・・・?

ころん、寝返りを打つ

真正面の位置の壁に飾ってあるコルクボードには、写真がたくさん貼り付けてある

伯父さんは写真が好きで、よくユキノに撮らせたり、自分で撮ったりしている

それをいくつかもらって完成させた大きなコルクボード

笑っている、泣いている、勉強をしている、お菓子を食べている、喧嘩をしている、いろんな写真でいっぱいのコルクボード

いずれも2人かそれ以上でいる写真だ

産まれたばかりの私の写真はいつ見ても猿顔で笑いがこみ上げてくる

いつも兄と一緒にいた

産まれてからずっと一緒にいた

きっと私よりも私のことをお兄ちゃんは知っている

それなのに私ときたら・・・

思わず嘲笑する

私を避ける理由さえわからないだなんて。

ばかじゃないの・・・