極上な王子は新妻を一途な愛で独占する

医師は何も答えない。

しばらく膠着状態が続いたけれど、カレルが見切りを付けたように、ノーラに使いを出すように告げた。

「薬師など必要ない!」

医師が声を荒げて止めようとする。その態度にルークが不快感を露わに言った。

「いくらユジェナ侯爵付きの医師といえども、王弟殿下への無礼が過ぎるのではありませんか? 場合によってはユジェナ侯爵へ抗議する事になりますが」

医師が言葉に詰まると、ルークはノーラへ使いを出す為、部屋を出て行こうとした。

「ま、待て!」

釘を刺されたはずの医師が執拗に止めようとする。そのとき、涼やかな美しい声が聞こえて来た。

「テオドル、もういいわ、こちらに来て。計画は変更するしか無さそうだわ」

シェールと同じ声。けれど、発声が違うのか印象が大分違っている。

カレルがいつも聞いていたシェールの声は明るく暖かだったから。