極上な王子は新妻を一途な愛で独占する

近付くにつれ、様子が分かるようになった。

そこに居るのは数人の男性のようで、何か話しをしているようだった。

シェールは引き返そうかと迷いながら、息を潜めて様子を伺った。

森の端とはいえ、それなりに危険もある中で話しをするなんて怪しく感じた。
けれど、直ぐに引き返すのも躊躇われた。
もし、森に不慣れなマグダレーナの従者なら、危険を知らせてあげなくては。

静かに更に近付いて行き、大きな木の陰に隠れる。すると、声が聞こえて来た。

「……大方問題はありません」
「そうか。引き続き頼む」
「館の方は如何なさいますか?」
「それはいい。お前はもう行け」
「はい」

息を潜めて会話を聞いたシェールは、声を上げそうになるのを必死に堪えた。
手で口を塞ぎ、木の幹にもたれる。

(今の……カレルの声だ)

心臓がドキドキと脈打つのを感じていた。
但し、いつものときめきからではなく、強い緊張から。

今の会話は、明らかに友人同士の会話では無かった。身分が上の者と下の者。

カレルはの声は聞いたことがない程冷たく、人に命令する事にとても慣れている口ぶりだった。