極上な王子は新妻を一途な愛で独占する

長閑な田舎道を、シェールは小走りに進んで行く。

久々の自由。やりたい事も沢山あるので、つい気が急いてしまう。

ノーラの診療小屋が見えて来ると、足を早め、扉を開いた。

「ノーラ!」

部屋の中央の大きな机の上には、大量の木の実が置いて有った。

ノーラは机の前の椅子に座り、木の実の処理をしている様子だったけれど、シェールに気付くと、驚いた顔をして作業の手を止める。

「シェール?」

「ノーラ、急に来れなくなってごめんなさい。
事情が有って連絡出来なかったの」

ノーラはシェールの頭から爪先まで観察してするように眺めると、ホッと息をする吐いた。

「いいよ。心配してたけど、どうやら無事の様だし」

ノーラはそう言うと、「よいしょ」と声に出して立ち上がりゆっくりと隣の台所に向かおうとする。

「お茶を飲むの? それなら私が入れるわ」

シェールが手伝おうとするのを、ノーラはひと睨みで制した。

「いいよ。あんた病気や怪我は無いみたいだけど、疲れた顔をしているよ。元気が出る薬草茶を入れるから座って待ってな」

「うん……ありがとう」

口は悪いけれど、結構優しいノーラにホッとする。
シェールは言われた通りに、背もたれのない丸椅子に座ると、声を大きくして言った。

「この木の実、皮を取ればいいの?」

「ああ、助かるよ。面倒で困ってたんだ」

直ぐに返事が返って来る。

シェールは微笑みながら、木の実と作業用のナイフを手に取り器用に皮と、不要な部分を取っていった。