極上な王子は新妻を一途な愛で独占する

「あら? そんな事が気になるの? でも答えられないわ。いつ帰るかは相手次第よ」

嫌な予感がじわりと体を巡っていく。

(まさか、しばらく帰らない気なの?)

「あの……意味がよく分からないのですが、相手とはどなたの事でしょうか?」

「お父様と、お母様よ」

マグダレーナが正直に答えるか不安だったけれど、意外とあっさりと返事が来た。どうやら隠す気はないようだ。

「喧嘩されたのですか?」

(家出ってこと?)

もしそうだったとしても、なぜシェールの所にやって来るのか。巻き込むのはやめて欲しい。

今すぐ出て行けと叫びたいのを堪えていると、マグダレーナは憂いを帯びた顔をした。

「私の結婚が決まったのよ」

「そうなのですか? でもそれでなぜ家出を? 結婚したがっていましたよね?」

頭の中を次々と疑問符が浮かんで来る。

首を傾げるシェールに、マグダレーナは声を荒げた。

「誰だって良い訳じゃないわ! 私の夫になるなら完璧な男性でないと駄目だと思わない? お父様とお母様がなぜあんな人を選んだのか分からない。絶対嫌よ、結婚の話が消えるまでここで暮らすから!」

「こ、ここで暮らす?」

卒倒しそうにな気持ちになりながら、恐る恐る再確認する。

すると、マグダレーナは当然とばかりに頷いた。

「そうよ。こんな田舎嫌だけど、結婚よりましだもの」

「いや! それは駄目ですよ、困ります!」

あまりの展開に動揺が隠せない。つい正直な気待ちを声にしてしまうと、マグダレーナの目がすっと細くなった。