極上な王子は新妻を一途な愛で独占する


「マグダレーナ様もお変わりないようで」

その性格と口の悪さ。少しも変わっていませんよ。
今にも飛び出しそうな言葉を飲み込み、強張った笑みを浮かべる。

「あら、目まで悪くなったの? 私のドレスの趣味変わったの気付かない?」

「目は至って健康ですが、今日もステキなドレスですね……趣味が変わったかは分かりませんが」

棒読みでドレスを褒めてから、一応視線を走らせ確認する。

マグダレーナのドレスは、赤のシルクに金銀の刺繍が施されたもの。それに大振りの装飾品を合わせている。

一言で言えば派手。趣味もシェールの好みではない。でもそれは前からだから、どこが変わったのか全く見当がつかなかった。

「本当に分からないの? 鈍感ね。よく見てよ、胸の開きが浅くなったでしょ?」

「……そうですかね?」

大して変わらないし、気にする人もいないと思う。

「そうよ。最近清楚にしたい気分なの」

「せ、清楚?」

衝撃に慄きそうになる。だって、マグダレーナに清楚なんて結びつかない。

だいたい以前は、その清楚な女性達を小馬鹿にしていたではないか。今更なぜ気持ちが変わったのだろう。

気になったけれど、シェールはその疑問を今は無視することにした。

そんな事より、はっきりしておかなくてはならない疑問がある。

マグダレーナは何をしに来たのか。そして、いつ帰る気なのか。

可能であれば今すぐユジェナの屋敷に帰って欲しいのだけど。

「マグダレーナ様、お聞きしたい事があります」

「なあに? ドレスのことで質問?」

「いえ……いつ頃まで滞在される予定ですか?」