極上な王子は新妻を一途な愛で独占する

髪の次は着替え。輿入れ時に持参した豪華なドレスを身に付ける。

動き辛いし、汚れるのが気になってしまって落ち着かないけれど、他にまともな衣装が無いので仕方ない。

昨日の内に出しておいた同じく持参品の装飾品から、ドレスに合いそうなものを侍女に選んでもらうと身支度が完了した。

それから直ぐに朝食を配膳して貰い食べようとしていると、家令がやって来てマグダレーナの到着を告げた。

「予定より早いご到着でして……丁重にお出迎えしておりますが、ラドミーラ妃殿下にもおいで頂きたく……」

家令は脂汗を滲ませ言う。

シェールは不満が顔に出そうになるのを必死に抑え、無言で頷き手にしていたスプーンを置いた。

(予定より早く来るとか絶対嫌がらせだわ。ご飯食べ損ねたなんて最悪)

心の中で盛大に愚痴を吐きながら玄関ホールに向かう。

それ程広い館では無いのであっという間に到着した。

ホールはいつもと違い人が溢れていて騒がしい。

従者と思われる人々の中心には、マグダレーナが堂々とした態度で立っていて、シェールに気付くとそれは嬉しそうに微笑んだ。

「ラドミーラ! 久しぶりね、少しも変わっていなくて安心したわ」

マグダレーナは一見すれば義妹との再会を喜ぶ深窓の令嬢に見える。


けれど、挨拶が済み応接間でシェールと二人きりになると、途端に不遜な態度で言った。

「想像以上に粗末な館ね、王族の住まいとは思えない。まあ、シェールにはお似合いだけど。そのドレスも流行遅れ。相変わらず野暮ったいわね」