極上な王子は新妻を一途な愛で独占する

母親違いとは言え、姉妹なのだから似ていて不思議はない。
だけどあの我儘で自己中なマグダレーナと似ているなんて……。

「最悪だわ」
「えっ?」

あまりの衝撃に思わず心の声が出てしまったようだ。
間髪いれずに侍女が声を上げて真っ青になる。
まるで追い詰められた小動物のよう。

再び腰を折った謝罪を始めそうな気配を感じ、慌てて止める。

「あなたの事を言ったわけではないわ」

目を見開き驚く侍女。なぜそんな顔をするのか不審に思いながらもシェールは何でもないよと訴えるべく、笑ってみせた。

すると侍女はますます驚いたようで息を飲む。


(……これは駄目だわ)

何をしても怖がらせてしまう。
嫁いでからのシェールの愛想の欠片もない言動で、かなり冷酷非情な人間像が出来てしまっているらしい。

慰めてあげようと思って笑ったのに、逆に不安を与え警戒させてしまう始末。

(まあ、あの態度じゃね、仕方ないか)

笑わない、まともに口を利かない、基本引きこもり。こんな人がいたらシェールだって怪しく思う。

今更誤解を解くのも困難だ。
ここは放っておくしかない。

シェールは侍女に支度の続きをするように命じると、目を伏せた。

独り言が出ないようにと、自分を戒めながら、出来上がりを待った。