(こうやって改めて見ると私の顔って冷たい感じだわ)
カレルには“いつもヘラヘラした顔”なんて言われているけど、鏡に映る顔は何を考えているのか分からない、気難しそうな人に見える。
笑わないだけで人の顔はこんなに印象が変わるものなのか。
「失礼致します」
侍女は大きな筆を手にして、シェールの顔を白い粉で覆っていく。
元々顔が白いので大した変化は見られない。
続いて桜色の粉を目元と頰に乗せて行く。
今度は少し変化があった。
それから眉を整えて、口紅を施し、それが終わると髪の手入れに入っていく。
いつもは緩く纏めている髪を、しっかりと編み込んで行く。
そうして貰っている内に、ふと気が付いた。
(この顔見たことがある……誰かに似ている?)
自分とそっくりだと思うのは今まで一人しか会った事がない。でも、その相手は今思い浮かべたい相手ではない。
(そっくりって程じゃないけど似ている相手。誰だろう……ここまで出かかっているのだけど)
妙に気になってモヤモヤする。
無意識に顔をしかめてしまったからか、侍女の上擦った声がした。
「も、申し訳ありません。痛みがありましたか?」
「え?」
何のことか分からずにいると、鏡に映る侍女は深く腰を折る形で頭を下げた。
「二度とこのような不手際は起こしません。どうかお許し下さい」
どうやら侍女は、シェールが何かに怒っていると勘違いしたようだ。
(それにしても大袈裟じゃない? そんな折れ曲がる事無いのに……)
呆気に取られながらも、シェールは簡潔に返事をする。
「もういいわ」
侍女は依然としてビクビクしながら、シェールの髪の手入れの続きをはじめる。
(まだ怯えてる……私ってそんなに怖く見えるの?)
少し不満に感じながら再び鏡に目を向ける。
その直後ハッとした。誰に似ているのか分かったのだ。
(私……マグに似ているんだ!)
カレルには“いつもヘラヘラした顔”なんて言われているけど、鏡に映る顔は何を考えているのか分からない、気難しそうな人に見える。
笑わないだけで人の顔はこんなに印象が変わるものなのか。
「失礼致します」
侍女は大きな筆を手にして、シェールの顔を白い粉で覆っていく。
元々顔が白いので大した変化は見られない。
続いて桜色の粉を目元と頰に乗せて行く。
今度は少し変化があった。
それから眉を整えて、口紅を施し、それが終わると髪の手入れに入っていく。
いつもは緩く纏めている髪を、しっかりと編み込んで行く。
そうして貰っている内に、ふと気が付いた。
(この顔見たことがある……誰かに似ている?)
自分とそっくりだと思うのは今まで一人しか会った事がない。でも、その相手は今思い浮かべたい相手ではない。
(そっくりって程じゃないけど似ている相手。誰だろう……ここまで出かかっているのだけど)
妙に気になってモヤモヤする。
無意識に顔をしかめてしまったからか、侍女の上擦った声がした。
「も、申し訳ありません。痛みがありましたか?」
「え?」
何のことか分からずにいると、鏡に映る侍女は深く腰を折る形で頭を下げた。
「二度とこのような不手際は起こしません。どうかお許し下さい」
どうやら侍女は、シェールが何かに怒っていると勘違いしたようだ。
(それにしても大袈裟じゃない? そんな折れ曲がる事無いのに……)
呆気に取られながらも、シェールは簡潔に返事をする。
「もういいわ」
侍女は依然としてビクビクしながら、シェールの髪の手入れの続きをはじめる。
(まだ怯えてる……私ってそんなに怖く見えるの?)
少し不満に感じながら再び鏡に目を向ける。
その直後ハッとした。誰に似ているのか分かったのだ。
(私……マグに似ているんだ!)


