「どうする?萌…」
「いる。晴馬くんと居る」
「あれ?やけに素直じゃん」
「だって晴馬くん1日頂戴って言ったでしょ?」
誤魔化してしまった。
はっきり言うのが恥ずかしくて、都合よく約束事に頼ってしまった。
なのに晴馬くんは意地悪そうに笑った。
「つーか萌ちんが俺の事好きっつったから1日どころか毎日俺のもんだけど」
こんな状況で晴馬くんと居れない。
ドキドキが高鳴って、多分無理。
「…やっぱ帰ろうかな。ママも心配するだろうし」
「大丈夫。萌ちんのお母さんに電話したから」
「はっ!?いつ?」
グッと晴馬くんの身体を押し、振り返って見上げると晴馬くんが口角を上げる。
「さっき外で」
「なんで?」
「心配すると困ると思って」
「で、ママなんて言ってた?」
「俺と一緒なら安心だね。っつってた」
「晴馬くんさ、あたしのママと仲良くすぎない?」
「そんな事ねぇけど」
「じゃ電話したんだったら何で帰る?とか聞くの?」
「だって萌ちんが帰りたいって言ったら帰そうかと思ってたから。ま、とりあえず制服脱いだら?」
「えっ!?なんで?」
「寝たら皺になるから。なんか着る服いる?あ、別に俺は裸でもいいけど」
「服いるに決まってるよ。もぅ…」
クスクス笑って晴馬くんがスエットの下とTシャツを渡してくれる。
いったい晴馬くんの頭の中はどーなってんのか知りたい。
今までとあたしへの接し方は同じなんだけど、晴馬くんの事を好きだと思ってからドキドキしてどうしたらいいのか分からなくなってた。



