「キスくらいマシだっての。俺こいつのセックス中に出くわした事あんだから」

「…っ、」


思わず声を失う。

やだ、それだけは絶対やだ。

三神くんは笑ってるけど、笑えないよ。


「で。お前は何しに来た」

「あー、ちょっといいか?」

「あぁ。萌、ちょっくら外で話すから」

「…うん」


晴馬くんはタバコを掴んで三神くんと外に向かう。

あたしはと言うと、やはり三神くんに見られてしまった事に泣きそうになってた。

乾いた喉を潤そうと冷蔵庫から水を取り出す。

それを口に含みながらさっきの光景が頭を過る。

あぁ、最悪だ。


「お前まだショック受けてんのかよ」


しばらくして入ってきた晴馬くんは苦笑いで口を開く。


「だって…。もぅ晴馬くん、なんで鍵してなかったの?」

「つか萌が後から入ってきたんだから」

「……」


ごもっともな答えを出され何も言えなくなる。


「ま、あれだな。萌の裸見られるよりマシだわ」

「…っ、」


口角を上げた晴馬くんはあたしが持ってる水を奪い口に含む。


「つか萌もう帰る?もうすぐ9時になる」

「あ、あー…」

「なに?もっと俺と居たいって?今度はちゃんと鍵かけたから」

「もぅ…」


クスクス笑いながら晴馬くんはあたしの背後から抱きしめる。