なのに晴馬くんは聞こえてないかのように何度もキスを繰り返す。
だから。
「晴馬くん、誰が来てる」
晴馬くんの胸を押し唇を離しそう言ったのに晴馬くんは「ほっとけよ。つか萌もっと俺に抱きついて」なんて言いながら再び唇を交わす。
だからそれに従うようにあたしは晴馬くんの首に両腕を回しキスに溺れてた。
んだけど、
「おーい、晴馬ーー…っと、悪い。ヤる寸前かよ、」
その笑った声にあたしは思わず目を見開き、晴馬くんまでもピタリとキスをやめ、あたしの腕をほどきながら起き上がる。
「は?お前、勝手に入ってくんなよ」
「いや。電話しても出ねーし、それに鍵空いてたから」
そう言って平然として口を開いてるのは三神くんだった。
…え、ちょっと待ってよ。
三神くんにキスし合ってる所見られたんだよね?
え、やだ。恥ずかしい。なのになんで晴馬くん平然としてんの?
おかしいでしょ…
しかも鍵開いてるからって勝手に入って来ないよね、普通。
恐る恐るもう一度、三神くんを見るとバッチリ目が合い慌てて逸らす。
「あ、萌ちゃんごめん。見てねーから」
いやいや、見たでしょ。
物凄く見たでしょ…
だから思わずシーツを引っ張り上げた。
「おい、萌。そんな事で恥ずかしがんなよ」
「だって…」
バッと捲られたシーツに晴馬くんの呆れた顔が飛び込む。
てか普通にしてる晴馬くんがおかしいよ。
だって見られたんだよ?



