「え、俺…誰も連れて来た事ねぇけど」
「えっ、なんで?」
「なんでって…連れて来た事ねぇし」
「でも、彼女居たよね?今まで…」
グッと晴馬君の身体を離して顔を見上げてみる。
そうした事で晴馬君もあたしを見つめるけど、すぐにまたあたしの身体を抱きしめた。
「俺…今まで付き合った事ねぇんだけど。だから萌が初めて」
「えっ!?それはないでしょ?だって女の子いっぱい居たじゃん」
「あー…でも彼女とかではなかったし」
「そう、なの…」
「あ、でもごめん。童貞じゃない」
「もう!!そんな話いらないよ!」
思わず声を張り上げて頬を膨らませてしまった。
聞いたあたしがあれだけど聞きたくなかった。
むしろ女の子をここには連れて来た事ないって事はいったい何処でしてたんだろって言う変な妄想までしてしまう。
女の子の家?
もしかして外とか…
「外じゃねーからな」
「えっ、」
「なんかお前の妄想読めるわ。このドエロっ、」
「違うっ、そんな事考えてないもん」
「慌てる萌ちんも好きだなー…今度外でしてみる?」
「しないからっ!!」
グッと身体を反対にして晴馬君に背を向ける。
だけど晴馬君は背後からあたしを強く抱きしめた。



