「萌ちん、服脱いだら?」
「えっ、服?なんで?」
「皺になる」
「だ、大丈夫だよ」
そんなの脱げる訳ないじゃん。
今、まさにドキドキが止まらないのに、もう無理だよ。
晴馬君の胸に顔を沈めて晴馬君があたしを抱きしめる。
なのに晴馬くんは平然としてる。
「で、俺の知りたい事ってなに?」
「んっと…沢山ある」
「じゃまず一つ目」
「んー…晴馬君の好きな物って何?」
「萌」
「えー…なんか違くない?」
「なんも違わなくねーよ」
「じゃあ今、はまってる事」
「萌」
「えー…またあたし?」
「萌以外、なんもねーわ」
「欲しいものは?」
「萌」
「だから晴馬君、話進まないって」
「仕方ねーだろ」
「じゃ誕生日は?」
「7月3日」
「晴馬君は…ここに女の子連れて来た事ある?」
頭の中で引っかかってたものが自然に口から零れてしまった。
1人だったら尚更じゃん。
女多き晴馬君だから、何人連れて来たんだろって、思うのが普通でしょ?
知ったら怖いけど、でも知りたい。



