「やっぱ萌ちんエロっ!今、何考えてた?」
スッと身体から離れた晴馬君はあたしの顔を覗き込みデコピンをする。
「痛いよっ、」
「お前がエロイ妄想してっからだろ」
「してないけど晴馬君がシャワーとか連発するから」
「ほらしてんじゃん」
「だからね、」
「ばーか。汚い男に障られた所洗って来いっつってんの」
「あ、うん…」
そ、そうだよね。
だったら初めからちゃんと言ってくれればいいのに。
そうやって晴馬君はいつもあたしで遊ぶから飲み込まれてしまう。
「タオルそこ置いてっから」
「うん。ありがと」
制服を脱いで入るだけでドキドキしちゃう。
そこに晴馬君が居るって事だけに心臓が破裂しそうになる。
なんでだろう。
今までこんな晴馬君にドキドキする事なんかなかったのに、自棄にドキドキしてしまう。
お互い好きになるとここまでドキドキするんだ。
シャワーに打たれながら今日の出来事を思い出してた。
晴馬君に助けられて、晴馬君に怪我させた事に心が痛い。
佐々木君の事はもう全部忘れたいしもう思い出したくもない。
全てを忘れる様にあたしは皮膚が赤くなるほど擦って洗い流す。
〝殺したい″
〝アイツらに会いに行ってもう一度――…″
「え、もしかして…」
急に頭に浮かんだ晴馬君の言葉が過る。
慌てて風呂を飛び出し制服に着替えて――…



