「荒れてたからさ、俺。世間対っつーの?周りからロクでもねぇ息子が居るって知られたくないからって、出て行けって」
「……」
「んー…でも、まぁ俺にとっても好都合だし、一人の方が楽」
「……」
「つか、お前すぐそー言う顔すんのやめろよな」
俯いて眉を顰めるあたしはその言葉で顔を上げる。
「だって知らなかったんだもん」
「だって言ってねぇし、聞かれてもねぇし」
「……」
「萌がそー言う顔すっと、俺困るわ」
「なんで?」
「俺の事でそんな顔させたくねーから。自業自得だし。しかもそんなエロい顔されるとヤりたくなる」
「ちょ、エロくないよ!真剣に悩んでたのに!」
「つか悩む所なんか何もねぇだろ。シャワー浴びるわ。萌ちんも一緒に入る?」
「入らないよ!」
張り上げた声に晴馬くんが笑う。
晴馬くんはズルい。
そうやってあたしの名前を呼び捨てにする時と萌ちんって分ける時がズルいと思う。
前からそうだけど、晴馬くんは真剣な時はいつも呼び捨てにするけど、あたしを虐める時、おちょくる時は萌ちんって呼ぶ。
だからつい、その萌ちんって呼ぶ言い方にあたしは調子が狂って気を許してしまう。
ほんと、晴馬君のペースにまんまと乗せられちゃう。



