「もういねぇって。だから帰んぞ」
「うん。どこ行く?」
「とりあえず飯食って、そのあと俺んち行ってシャワーし――…」
「晴馬君ちでシャワー!?」
ど、どうして急にシャワー?
「つか何でそこで驚く。お前、なんかヤラしい事考えてた?」
「う、ううん」
「考えてたな。萌エロっ、」
「エロくないし!エロイのは晴馬君じゃん」
「は?なんで俺?」
「だって巨乳好きとか…言うじゃん。あたし巨乳じゃない」
言って恥ずかしくなった。
何を言ってんだって、自分に悲しくなった。
さっき話してた女の子の会話が頭の中を過ってく。
「俺、一回も言った事ねぇけど。どっからの噂?」
「知らない。でもみんな言ってるもん」
「……」
「なのになんであたしが好きなの?」
「はぁ!?いや、ちょっと萌…お前、頭ん中から一度消して」
「何を?」
「俺が巨乳好きだっつー話。つか好きじゃねーから!胸で選ばねーから。選んでたら萌を好きになってねぇから」
「…なんかある意味ひどくない?」
「うん、まぁあれだな。帰ったら萌も風呂入れ」
「え、なんで?晴馬君と一緒に?」
「ちげーよ!アイツらに触れられてるから汚れ落とせって意味」
「あ、そっか。…うん」
晴馬君は何故か困ったように髪を乱暴にかき乱した。
そんな事、あたしもそうだ。
いつもみたいに晴馬君に言葉を返せなくなってる。
晴馬君に意識してる所為か、うまく返せない…



