「あいつイケるかも。いつもの射に戻ったから腕、払ってねぇし」
晴馬君が目に焼き付く。
あたしの瞳が晴馬君でいっぱいになる。
もう気持ちなんて止める事も出来ず、…晴馬君が好きだ。
「すごーい。これが愛の力ってやつじゃない?もう晴馬の頭ん中、萌で埋まってんじゃん。晴馬、エロっ、」
「ちょ、麻友ちゃんやめて」
「だってアンタの頭も晴馬で埋まってんじゃん。アンタの隣に居るとさー…なんか恥ずかしい」
「…え、なんで?」
「だってあんな大胆な告白するからさ、周りに視線が物凄いこっちに向かってんだけど…」
「…っ、」
思わず振り返ると周りの視線がこっちに向き、何人かの人と視線がカチ合う。
…え、やだ。
これじゃホントに恥ずかしすぎる。
「ご、ごめん麻友ちゃん…ちょっと出る」
「はぁ?あんた旦那様のプレイ見ない訳?」
「ご、めん」
しかもプレイって何!?
鞄を掴んで進むあたしに「え、萌何処行くの?」なんて芹奈ちゃんの声が聞こえる。
だけどあたしはその声を無視して外に出て、その建物の誰もいないその場所で壁に背をつけてしゃがみ込んだ。
思い出すと恥ずかしすぎる。
あたしはいったいあんな大勢いる場所で何を言ってるんだ。
おまけに麻友ちゃんが言うから余計に顔が赤くなったんじゃないかって思う。



