「お、お願い。離してっ、」
「だめだめ、そんな暴れちゃ」
グッと更に違う男に抱えられた身体。
ズルズルと引きずられるように足が進んで行く。
両方から抱えられて進む足は、まるで地に足がついていないように引きづってた。
初めて来る南条高は物凄く荒れた校舎だった。
訳の分からない落書きが壁に描いてあり、それがいい学校じゃないって事を物語る。
「ちょっと、離して!!ねぇ、離してよ、」
「ちょっと静かにしろよ。萌にも報酬たっぷりやるって言ってんだろ」
「何をする気なの?」
「さぁ、着きましたよ、お嬢さん」
隠れ教室みたいな部屋に連れ込まれ、中に入るとまた2人の男があたしを見てフッと笑った。
「思ったよりすげぇ可愛いじゃん。これならざっと100万いけっかな」
クスリと笑った瞬間、あたしの身体がフワッと浮く。
「…っ、」
身体がバウンドするそこはベッドの上で、「さあ脱げよ」その声に恐怖の汗が背中を伝った。
「え、なにこれ…。ねぇ、佐々木君?」
恐る恐る佐々木君を見つめると佐々木君はニヤリと口角をあげる。
「萌。AVって知ってる?その撮影に協力して?」
「な、何言ってんの?」
「今回ターゲット萌だから」
「冗談でしょ?あたしを騙したの?」
「騙される方が悪い。俺が萌の事スキなわけねーじゃん」
「ひどいっ、ひどいよっ、」
「まぁ、あれだな。今回俺だから別にいいだろ。好きな男に抱かれるのって気持ちいいだろ?」
「あ、あたしは――…」
「ちょっとカワイ子ちゃん黙ってて」
「…んんっ、」
ぐっと知らない男に塞がれる口が苦しい。
左右に首を振っても離れてはくれない。
足も手も抑えられて身動きすらとれない。
怖い、怖い。
誰か、助けてよ…
あたしは罰が当たったんだ。晴馬君にやめとけって言われたのを無視したから。
だから、罰があたった――…



