「あー…ごめんね。ちょっと協力してほしくて」
「…協力?」
なに?なんの協力?
いったいなにするの?
目の前で男がニヤリと笑う顔が怖い。
「簡単に引っかかってくれたから楽勝」
え?佐々木くんは何を言ってるの?
今、あたしの腕を掴んでるのは一体だれ?
簡単に引っかかったって、なに?
「え、ちょっと待って。なに?」
必然的に後ずさりする。
だけどグっと佐々木君に更に掴まれた所為でこれ以上、足なんか進まなかった。
「おっと萌。逃げんなって。お前のも報酬やるから」
「なんの?」
「来たら分かるから来いよ」
「痛いっ、」
グッと掴まれて佐々木君が進んで行くせいで、足が縺れそうになる。
男の力にかなうはずもなく、必然的に足までもが先を行く。
足のつま先から全身に広がる様に寒気がする。
心臓が自棄に慌ただしく動いて、これから先の恐怖に怯える。
あたしは、この人達に何をされるの?



