「まだ根に持ってたのかよ」

「だ、だって見られたんだよ?それに三神くんって怖いよね…」

「え、そか?」

「晴馬君ってさ、中学の頃から仲いいんでしょ?」

「まぁ…」

「ガッツリ入れ墨入ってるしさ、見た目が…」

「ま、見た目はよくねぇよな。けど女には優しいから」

「そうなんだ。でも三神君にまでも迷惑かけたよね…今度謝らないと」

「は?んな事、別にいいだろ。…つか俺、マジ寝そう」


晴馬君はあたしに乗っけてた腕を離し、目を瞑って仰向けになる。

物凄く端正な綺麗な顔に思わずドキドキする。

好きという気持ちが膨らむと余計に胸が慌ただしく動き出す。


本当に好きって、こんな気持ちになるんだろうか。

でもあたしはまだ晴馬君の事を知らない。

何から聞けばいいのか何て分かんないけど、晴馬君の事をもっと知りたい。


「ねぇ、晴馬君?」

「うん?」

「…好きだよ」

「は?なに?お前なんか企んでる?」

「なんでよっ!ひどいっ!人が折角、頑張って言ったのに!」

「あー…悪い。なんか胡散臭くて」

「はい?」

「うそうそ。俺も好きだよ。で、言った後に恥ずかしくなんのやめろって、」


笑って言う晴馬くんのほうが胡散臭いと思ってしまった。

それに、恥ずかしいんだから仕方ないでしょ…


多分きっと、これからもずっと慣れないと思ってしまった。

だけど、いつの間にか…

この恋がもっと膨れ上がるだろう…




END