「…萌、ごめん」

「え?」


ゆっくり顔を上げて晴馬君を見ると、晴馬君はニヤリと口角を上げる。


「今日はエッチ出来ねぇわ。腕、痛いし。だからごめんな」

「えっ、ちよっ、何言ってんの?あたし別にそんなつもりじゃないから!」

「あれ?萌ちんヤリてーのかなって思ったから」

「思ってない!!」

「わ、逆にすげぇ傷つくわ」

「ご、ごめん…そう言う意味じゃ…」

「むしろそんな抱きつかれると俺がヤりたくなっから、ちょっと腕離して。それに俺の足の間に足突っ込むのやめて。興奮してくっから」

「ご、ごめんっ、」


バッと晴馬君を抱きかかえる腕を離すと晴馬君はクスクス笑いながら軽くあたしの身体に晴馬君は腕を乗せて来る。

もう、あたしなにやってんだろ。

逆に恥ずかしいし。

きっとあたしはここまで好きになると、ちょっと何も見えなくなるらしい。


あの大会での告白もそうだったけど、今更思うとほんと恥ずかしい事したな、あたし。


「萌さぁ…ほんっと自分でした事で恥ずかしくなんの得意だよな」

「お願い、言わないで」

「ま、そー言うところおもしろくて好き」

「おもしろいって言葉はよけいじゃない?」

「そーかな。あ、三神も心配してたよ?」

「また三神くん…」


思い出してしまったじゃないか。

あの光景を。

笑いながら、ごめんって言ってた三神くんが頭を過る。


見てないとか言いながらガッツリ見てたくせに…