「服部さん、待てます?
嫌なら、キャンセルして、別のお店でも
いいですけど。」

と私が聞くと、

「いいよ。
それくらいなら待つよ。
爽ちゃんとなら、待ってても楽しそうだし。」

と笑った。

私たちは、取り留めのない話をしながら、駅構内を通り抜けて、店に向かった。

服部さんは、紳士だ。

いつも周りを気遣って、角が立たないように気を配っている。

今も、私が退屈しないように、色々な話を振ってくれている。

優しい人だなぁ…と思う。


店に着いて、30分程で席に案内された。

「爽ちゃん、飲むだろ?」

服部さんは、さも当然のように聞いてきた。