「秦野くん、もう35だし、いい子だから、
そろそろ幸せになって欲しくてね〜」

ぷっ
社長にかかると、部長も『いい子』扱いなんだ…

でも、まさか、ここで私と付き合ってます…と言うわけにもいかず…

「部長は、イケメンですから、もうお付き合い
されてる方がいらっしゃるんじゃない
ですか?」

とごまかした。

「園部さんも、秦野くんはイケメンだと
思う?」

「はい。
ねぇ、真由?」

と私が真由に振ると、真由は焦って、

「はい」

と一言だけ、答えた。

「そうか、そうか。」

なぜか、社長はご機嫌だった。

そして、あっという間に、日替わり定食を完食して、

「ごちそうさま。
園部さん、またね。」

と去っていった。