冷たい部長の甘い素顔


「そうか?」

「そうですよ。
でも、軍って、『い』って読むんですか?」

「『いくさ』とは読むけど、『い』とは
読まない。
親のエゴで付けた名前だな。」

「『いくさ』って読むなら、全くの当て字でも
ないし、いいんじゃないですか?
今は、どうやっても読めない当て字の子も
いますから。」

「で?
爽は、名前、呼んでくれないわけ?」

「え?
ああ…
なんか、改まって言われると照れますね。
………将軍さん?」

部長の顔がほころんだ。
部長の手が伸びて、私の手を握る。

ふふっ
なんか嬉しい。

「将軍さん。」

「なんだ?」

「ふふっ
呼んでみただけ。」