その後、部長はまたタクシーで家まで送ってくれた。

タクシーの中で、ぎゅっと抱き寄せられながら、右手を部長の右手で握られたり、撫でられたりしていた。

タクシーが、私のマンションの前に着くと、部長も降りて、私を抱きしめた。

「ほんとは帰したくないけど…
爽とは、慌てたくないから、ゆっくり進んで
行こう?」

そう言うと、部長は、私の額にちゅっと優しくキスをして、

「おやすみ、爽」

と言った。

「おやすみなさい」

と私が言うと、部長は微笑んで、またタクシーで帰っていった。

私は、幸せな気分で部屋に入り、幸せの余韻に浸った。

だけど、昨日までの寝不足もあり、久しぶりにぐっすりと朝まで眠った。