「どうしたんですか?」 私が聞くと、 「綺麗だな…と思って。」 と部長が答える。 見つめられながら、そんな事を言われると、思わず自分の事を褒められたと勘違いしそうになる。 「そうですね…」 私は、視線を夜景に戻した。 「くくっ」 隣から、笑い声が聞こえる。 「それ、わざと?」 部長が聞いた。 「何がですか?」 「爽のそれは、ほんとに鈍いの? それとも、鈍いフリ?」 「は?」 「まぁ、いい。 とことん、付き合うよ。」