冷たい部長の甘い素顔


エレベーターが最上階に着くと、部長は私の肩を抱いて、そのフロアに1つしかない扉を開けた。

やや薄暗いそこは、会員制のバーのようだった。

窓際の席に案内され、並んで窓の外を向いて座る。

「わぁ!!」

私は息を飲んだ。
とても美しい夜景が広がっていた。

「綺麗ですね〜」

私が夜景を眺めていると、ふと視線を感じて隣を見た。

部長がこっちを見ている。

「な、何ですか?」

「ふっ
いや、あまりにも素直に喜んでくれるから…」

「っ!
単純な女ですみませんね!」

私は、部長に背を向けた。