私は、部長から、顔を背けた。
「くくくっ」
相変わらず、私の背後で部長が笑ってる。
「お前、かわいいな。」
後ろから、耳元で囁かれた。
もうどうしていいか、分からない。
心臓がバクバクと大きな音を立てる。
私、どうしたの!?
さっきまで平気だったのに、部長が見られない…
部長に背を向けてると、反対側にいる真由と目があった。
真由が心配そうに立ち上がる。
「爽、どうしたの?
顔、赤いよ?
体調、悪い?
爽が、こんなビールくらいで酔うはず
ないし…」
と私の額に手を当ててくる。
私は真由の手をやんわりと返して、
「大丈夫、何でもないから。」
と答えた。



