掘りごたつになったその部屋は、6人程座れるテーブルがある静かな部屋だった。

「どうぞ。」

部長に促されて座ると、向かいに部長も座る。

「食べたい物あるか?」

とメニューを見せられたが、たくさんありすぎる上に、よく分からない料理名も多くて、迷ってしまう。

「よく分からないから、お任せします。
…あ! でも、鴨、食べたいです。
それから、納豆は苦手です。」

「くくっ
お前、お任せって言っておきながら、
はっきりしてるなぁ。
お前の辞書に遠慮って言葉はないんだろ?」

「えぇ!?
失礼な!
私だって、必要な時は遠慮しますよ。」

「必要な時?」

「相手が、年下だったり、お金持って
なさそうだったり…」

「つまり、俺は、年上で、金を持ってそうだ
と思われてるって事だな。」