【北山竜一】vs【????】


【北山竜一さんと対戦して頂くのは__】


ドラムロールでも聞こえてきそうなほど、恭(うやうや)しく登場するらしい。


次なる対戦部屋には、丸太とノコギリがそれぞれ置かれている。


一足先に部屋に入った、北山竜一。


入り口を睨みつけ、一言。


「ぶっ殺してやる」


物々しい言葉で、戦闘モードに火がついていた。


あんな奴と戦うなんて、ルールもなにもないんじゃないか?


自分が相手じゃないことに改めて胸を撫で下ろすが、勝ち上がってくるはずだ。


次に対戦しなければならない。


できれば負けてほしい。


危険な奴はここで脱落してくれると助かるが、奴に勝つなんてことは至難の技。


しかも__。


「女?じゃないか?」


薄暗がりから現れたのは、体格からして女性だった。


小塚さんが「気の毒に」と続ける。


せめて、相手が凶暴だと伝えてあげたい。


知らないはずだ。


ここで勝ち残った参加者じゃないから、何も知らないはず__?


「えっ?」


私は目を見開いた。


驚きで言葉も出ない。


「な、なんで?」


そう投げかけるのが、精一杯だ。


現れた10人目の参加者は、私がよく知っている人物だった___。