お肉独特の【臭み】が工場内に蔓延しており、スタッフが忙しそうに肉と格闘している。


まさか、ここで働かされるとか?


負けた罰として、ひと仕事してから帰るんじゃ?


そんなことを考えていると、工場内の一角に連れていかれた。


そこには__体重計だ。


肉の重さを計るような、精巧な体重計が私たちを待っていた。


「乗って下さい」


そう指示された、先頭の鈴森さんが怪訝な顔で後ろの私たちを振り返る。


つられて私も振り返ったが、どの参加者も首を傾げていて、事の成り行きがつかめないでいた。


どうして今更、体重を計るのか?


私たちは不合格となったはずじゃないのか?


いくつもの疑問が浮かぶが、鈴森さんが靴のまま体重計に身を移す。


その傍らに2名のスタッフがいた。


私たちを引率してきた女性スタッフと、工場の工員であろう男性スタッフ。男性は、マスクや帽子で顔が見えなくなっている。


そして白いエプロンには、赤い【血】が飛び散っていた。


牛の血だろうか?


急に生臭さが襲ってくるが、込み上げている胃液を懸命に堪える。


「体重計126kg。合宿では7.4kgの減量に成功」


女性スタッフが読み上げると、鈴森さんは笑顔で振り返ってピースサインをした。