【数年前】














敦「真輝、真輝」




真輝「…なに?」




敦「これ、見てみろよ」




真輝「んん〜?…げっ、敦やめろよー!」




敦「いいじゃんよー!……だって、すげぇ暇だし」




真輝「……それはわかるけど…」



瀬戸山真輝。かろうじて苗字を覚えてられるのは、同室の敦(あつし)のおかげ。

ここはMARSという組織。人助けから人殺しまでなんでもやるMARSで、俺と敦は生かされている。



ーガチャー






扉の開く音に、俺と敦は体を固くした。




「次の仕事だ」




バサッ_と髪の束を床にばらまいた大人は俺たちに目をくれることなく扉を閉めた。