美「……なんかあった?」
みんなと別れて、奈津とふたりで歩く。外はもう既に暗く、人も少ない。
奈「…」
美「…なんか話しがあったのかなって思ったけど違った?」
奈「…さすがだな」
美「ていうか真田と南も勘づいてたよ。…奈津が送るって言うの珍しいし」
っていうか、奈津が送ってくれる時はいつも「コンビニ寄るから」とかさりげなく駅まで送ってくれるだけだったもんなあ。
奈「今日、月龍のみんなと遊んで、あいつらほんと良い奴らだなって思った」
美「だよねっ」
奈「美月が心許してるのもわかるし、俺らからしても接しやすくてすげぇ楽しかった」
そこまでいって、奈津は少し黙った。私も奈津続きを言うまで待っていたからほんの数秒沈黙が続く。
奈「ごめん。修也の前で、陽一さんの名前だした」
美「え」
奈「…兄弟いるの驚いたって話してたから、美月が言ったのかと思ってびっくりしておもわず口にしてしまった」
美「……修也は、なんて…?」
奈「一瞬名前出しただけだし、誤魔化したから、特に何か言ってはなかった」
美「…そっか」
多分、奈津にとっても相当驚く事だったんだろうな。
…あの件が私にとっては闇の部分であることは奈津は誰より知っているから軽々しく口にしない。
それに、言った相手が亮ならまだしも、修也だったらおそらくそこまで深くは考えないだろう。
美「ありがとね、気にしてくれてたんでしょ」
奈「…」
美「でも大丈夫だから」
そう言うと奈津は私の方をみて、ふっ、といつものように笑ってくれた。

