沈丁花

あの人は、死ななかった。
何故、と思った。

その人は情が厚い人だった。
己を害した者を、妃として扱ってくれるのだから。

「莉鸞。また舞っているのだね。何処の舞姫かと思ったよ。」

自分に初めて優しくしてくれた、その人はやんごとなき貴人だった。

「旲瑓様。お久しゅう。」

旲瑓はまた、榮氏-莉鸞-の離宮に足を運んで来た。

「他のお妃殿が寂しがっているやもしれませんよ。特に、圓妃とか。」

榮氏は笑った。