クールな彼の甘い素顔





「どしたのー?なんかあった?」



そのときキッチンからバックヤードに店長が入ってきて、

わたしたちの様子をみて聞いてきた。



「大野さんの財布がないそうなんですよ。

紫の長財布らしいんですけど...」



お金だけじゃなくて、カード類も入っているからなくなったら大変だ。



家にもしあるのなら、そのほうがいいんだけど。



「今子どもに確認してもらったんだけど、家にはないみたい。

それに、私今日の朝バッグに財布が入ってるのちゃんと見たもの...」



電話を終えた大野さんは、ますます不安げな表情を浮かべる。