そして次の日、遥とウイチは要塞都市ギンザが誇る闘技場に足を運ぶ。

とても大きな闘技場に遥は感動していた。

「こんな闘技場があるなんて・・・。色んな猛者と戦えるんだろうな・・・。楽しみだ・・・。」

クールな顔から密かに溢れる笑み、それを見てウイチは試験で遥をボコボコにして審査員にアピールしてやろうと考えていた。

「遥ちゃん、もし試験で当たる事になったらお手柔らかにねっ!俺はガンマンだから接近戦はからきし駄目でさ、でも射撃戦では負けないからね!」

「ほう、ウイチもそこそこ強そうだしな。これは面白そうだ。」

この時、遥から何とも言えない強者のオーラをウイチは感じたが、気のせいだと思うことにした。

こんな背も低く、体も細い女の子がまともに刀を振れるとは思えない。そこらの女の子よりはデキるのかも知れないが、ウイチは敵にならないと思っていた。

「さ、遥ちゃん早く受付をしよう。」

「うむ、そうしよう。」




受付に行くと遥とウイチは説明を受ける。

「まず、今回の試験では殺すことはダメですが大怪我を負わすのは大丈夫です。そこはご了承頂けますか?」

「はい、大丈夫ですともっ!」
「戦闘に怪我は付き物だから仕方ないだろう。」

美人な受付のお姉さんにデレデレしながら話を聞くウイチ、そしてお姉さんの胸がデカいと心の中で呟く遥。

「では、ご了承頂けたところで今回の試験の説明をさせていただきます。試験はトーナメント方式です。実際の戦闘の様に戦ってください。そして、上位3人はサトミ王女の用心棒として雇わせて貰います。王女の用心棒という仕事なので身元不詳の方は試験を受けていただく事は出来ません。お二人は冒険者カードか、何か身分を証明できるものは持っていますか?」

二人は受付のお姉さんに冒険者カードを見せる。お姉さんは二人のカードを見て、チェックリストに何か色々書いているようだ。

「はい、有り難うございました。それでは試験の登録をしますが、参加者の使う武器のデータを教えてもらいたいのですが、二人とも使う武器は何でしょうか?」

「私はこの色んな武器が使うが、この試験ではこの刀を使いたい。」

「俺はこの2丁拳銃だ。この試験でお姉さんのハートも撃ち抜きますよ。」

何かウイチがおかしい・・・。美人なお姉さんを前にテンション上がっているご様子。

「はい、では登録出来ました。では、試験はお昼の12時からです。それまで参加者の控え室で休んでおいてください。」

遂に試験の登録を終え、二人は控え室へと行く。