遥はこの町であった事を全て話した。

「えっー!じゃあこの可愛くて美人な娘がみんなが崇める国神クレアなの!?」

「こらっ!声がデカイぞ

「ご、ゴメン。でも、俺にクレアちゃんを守れるかな?」

問題はそこなのだが、実は遥はしっかりと計算していた。

「そこなんだが、シノケンが住んでいる町は周りが砂漠だし滅多に観光客とかよそ者が来ないから守りやすいだろう。あの町の人間ならクレアが神ということにも気付かないだろうしな。」

「まあ、確かにあの町の人間は神とか興味ないからね。でも・・・」

「何か合ったら手紙を送ってくれ。前に冒険者カードの番号教えただろ?」

そう言えば前に教えてもらった冒険者カードの番号なんてもの合ったな。これがあればどこにいても手紙や荷物が送れる。

「分かったよ。でも遥ちゃんはどうするんだい?ダイト国を抜けたくてもこの国は広い。歩いていても国から出るのに20日はかかるよ。」

「取り敢えず最短距離で隣国に行きたいから、北にあるサミイ国に行こうと思う。そうだ、どこかで馬も買っておかねば。」

「凄いな、遥ちゃんは馬にも乗れるのか。俺なんて馬は乗れないよ。」

「はは、まあ馬に乗るには結構練習しなければならないからな。・・・ではシノケン、今度合うときは酒を酌み交わそうな。」

「そうだね。そのときには最高の酒と最高の肉を用意するよ。」

「それは楽しみだ。次会うときが楽しみだ。では・・・」

そういって遥は宿を出て、さらにサボンの町を出て北へと向かう。