親父狩りのチンピラを全員ボコボコにして、遥はこのチンピラ達を取り敢えず許した。

顔を洗えば顔の落書きが意外と簡単にとれる為に許すことにした。

「全くこの国は変なチンピラが多すぎる。シノケン、そうは思わないか?」

「うーん、確かにこのサボンの町は人口が多いと同時に変なやつも多いね。それにサボンの町はダイト国でも太陽神信仰が激しいから息苦しいね。早くお家に帰りたいよ。」

アッハッハ・・・と笑うシノケンに遥は怖い顔をしてシノケンに顔を近づける。

「・・・まだ帰らさんっ!」

遥の余りの怖くて暗い雰囲気にシノケンは「ヒィっ!」と怯える。

「シノケンにはこの町で知り合った女の子の面倒を見てもらいたいんだ。私の旅に連れていく事は難しいし、お前なら女の子に襲う度胸も無いから安心して任せられるんだが。」

「・・・俺が度胸無いって?まるで俺が女にアピールする度胸が無いと思っているね?俺だってその気なれば女を押し倒したりするぞ?するさっ!」

男としてのプライドを刺激されたのか、シノケンは意味の分からない度胸のある男アピールをする。

「そうか?なら、今この場で私を押し倒してみるか?私は泣いて喚きもしないぞ?お前の好きな様にヤられてやる。」

遥は「フフンっ」と笑う。お前には到底出来ぬであろうと確信していた顔である。

シノケンはこの顔がムカついた。心底ムカついた。

だから、遥を押し倒してやろうと思った。

遥の事だ、あそこまで言うということは襲われても叫びもしないし助けも呼ばないであろう。

・・・怖いもんは無いはずだ。

「どうした?私は嘘などつかんぞ?私をどう扱っても許すぞ?」

遥の誘惑にシノケンは手が震えた。襲いたい・・・しかし、シノケンの中の何かがソレを阻止する。

「・・・ムリだっ!俺にはか弱い女の子を襲うなんてムリだよぅ!!」

遥の意地悪に耐えれなくなったシノケンは遥に泣きつく。

「普通の女の子でも無理だろう?」

「うん!ムリだよう!」

何とも情けないシノケンの姿。しかし、シノケンのそんなところが女を安心させるのである。

「やっぱり、お前は良い男だな。」