次の日、遥は朝早くに目が覚めた為、宿を出て外を散歩しにいく。普段は朝早くに散歩などはしないが、この日はある人物に会うために早起きしたのだ。

明確な待ち合わせ場所など決めていなかったから、どこに行けば奴に会えるか分からない。しかし、朝から町をうろつけば会える・・・と思う。

クレアの事は奴に託す。私は1人で世界を旅したいからクレアをあの男に託す。もちろん押し付けている訳ではないぞ。

奴の住む町ならクレアも目をつけられないはず・・・だから私は奴に・・・シノケンにクレアの保護を頼もうと思う。

そんな事を考えながら散歩していると公園のベンチで寝ている人を見つけた。・・・よく見るとどこかで見たような顔だな。

そう、頭の悪そうな顔をしてるシノケンだ。私はシノケンが寝ているベンチに座る。窮屈だけど座る。

フフフ・・・どうやら昨日の祭りで酒をのみ過ぎたのであろう。とても酒臭くて熟睡している顔である。

叩き起こしても良いんだが、それは少し可哀想な気がするのでシノケンが起きるまで隣で私が待っていてやろうか。ついでだから親父狩りからも守ってやろう。

シノケンはいかにも若者から親父狩りに遇いそうな顔をしているからな。