遥はサボンの町の銭湯に入り、風呂に浸かることにした。

(うむ、この町の風呂もなかなか良いではないか。だが、まあ私の国の湯ほどではないがな・・・。)

お風呂に使っていると隣で話している若い女性たちの話し声が気になった。いや、正確には話している内容が気になった。

「ねぇ知っている？太陽の神殿って夜な夜な若い女性達の声が聞こえてくるらしいよ？立ち入り禁止のはずなのに誰かいるのかしら？」

「あー、あたしもその話聞いたことある〜。なんでも大昔の女王様に使えていた女奴隷の声だとか・・・。それにあの神殿って物凄く不気味な感じしない？霊とかが出てもおかしくないよ。昔っから幽霊が出る噂があったしね。」

(ふむふむ、あの神殿は昔から曰く付きの観光スポットだったのか。もう少し詳しく聞きたいのだが・・・。)

遥はもう少し詳しく聞きたくて仕方なかった。しかし、遥はこの二人の女性みたいなキャピキャピした感じの女性が苦手なのである。基本的に１人行動が好きな遥はみんなでワイワイはしゃいだりする雰囲気が苦手で孤立するタイプの子である。勿論、友達がいないわけでは無いが、キャピキャピした人は少し苦手である。

(しょうがない。別の場所で聞くことにするか。)