その後、きっちり30分後に風呂から出る。

髪を乾かしたりコーヒー牛乳を飲んだりして、ようやく外へ出る。

「さっぱりした。そろそろ次の町へと行かねばな。」

風呂から出て遥は次の目的地をどこにするか考えていた。

遥の旅に目的は特にない。しかし、出きる限り武芸を極めつつ世界の平和の為に働きたい。

この世界はどこも治安が不安定な為、どこへ行っても遥の力が必要となるであろう。

悪人退治しながら己の実力を磨くことが出来るなら、それに越したことはない。

しかし旅へ出る前に、遥には1つ心残りがあった。それは倒れた遥を助けて家まで運んでくれたシノケンへのお礼である。

昨夜の『セブンスター』のブラッグスを倒したのはシノケンへのお礼ではなく、この町のために遥が勝手にやっただけである。町の人やシノケンがなんと言おうとアレはシノケンに対するお礼ではない。

お礼とはその人個人に対するものである。

遥はそのお礼を考えていた。