「これが、この町の銭湯か・・・。」

遥の生まれ故郷と比べてもあまり変わらない銭湯で少し嬉しかった。地方によっては全然違うお風呂もあるから困ることも稀にあるのだ。

「うむ、シャワーもあるし、石鹸も常備している良い銭湯じゃないか。」

そして銭湯全体を見ると遥以外の客はいなかった。

男女混浴と聞いていたから男に裸を見られるんじゃないかと思っていたが、そんな心配は無いようで少し安心した。

遥はまずはシャワーで体の汗を洗い流した。

「あぁん・・・気持ちいい〜。」

疲れた体に温かいシャワーをかけると凄く気持ち良くて幸せな気分である。

汗を洗い流すと体を石鹸で洗い、髪をシャンプーで洗う。

どうやら、この地方にもシャンプーとリンスはある様だ。リンスがあるのは女性である遥にとっては嬉しいことである。

髪を洗い終えると遂に湯に浸かる事になる。

ゆっくりと足から湯に浸かる。足からお湯の温かさを感じて、お湯の熱が徐々に体の疲れを取っていく。

「はァ・・・ん。」

少しいやらしい声を出してしまったかもと感じた遥は周りをキョロキョロとする。でも誰もいないから大丈夫の様である。

「ふぅ・・・良いお湯で変な声が出てしまった。しかし・・・気持ちいいから仕方無い。」

口調はいつもと変わらないが表情がトロ〜ンとなっていて滅茶苦茶幸せそうな顔をしている。

凄く気持ちいい。あと30分は浸かっておこう。どうせ、やることないから別に良いだろう。