町に出ると遥は周りの注目の的であった。

「あの可愛い娘、昨日大活躍だった娘だ!」

「凄い!カッコいいお姉さんだ!」

まるで町の英雄のような扱いに少し動揺して、少し嬉しくなってしまう。

するとパン屋のおじさんが近付いてくる。

「昨日の活躍見ていたよ。この町を救ってくれて有難う。このパンをあげるから食べてね。」

「え、あ・・・ありがとう。」

遥は貰ったパンを少しかじる。

「・・・うむ、美味しい。」

美味しい・・・しかし、今は風呂に浸かりたい。何処かに風呂を借りるところは無いだろうか・・・と思っていたら目の前に『銭湯』の看板があった。

どうやら朝からでも開いているみたいである。遥は入ってみると店員さんが1人いたので声をかけてみる。

「済まないが、ここは女湯はあるのか?」

見た感じ女性が来そうに無いお店に見えたから聞くだけ聞いてみた。

「ああ、ここの町は男女混浴だよ。砂漠の町なんて大体そんなもんだよ。」

凄く素っ気ない言い方をされたが遥は気にしない。それより、やっとお風呂に入れる喜びの方が強かった。

遥は更衣室に行くと着物をゆっくりと脱いで、タオルで胸などを隠して銭湯の扉を開く。