「ぎゃああぁ〜〜〜!!!」

「たわいもない。」

それは刹那の出来事であった。遥に迫り来る雑魚100人が、僅か5分で全滅された。

しかもそれだけでは無く、遥は返り血を着物にかからないように上手く斬っている。

「ふん。『セブンスター』とはこんな奴しかいないのか?まぁ、煙草の名前をパクる様な集団だから頭も弱そうだし仕方無いか。」

セブンスターの首領ブラッグスは戦慄していた。100人もの腕に覚えのある部下が5分そこらで全滅されたこと、遥の戦い方が小娘の癖に異常に荒々しい事、そして軍団の名前が煙草のパクリとバレたこと。

「ふ、ふ〜〜〜ん?中々やるじゃ〜〜〜ん?で、でも俺様の方が8000万倍強い!!!」

ブラッグスは手にする斧で遥をなぎ倒そうとする・・・が、遥はブラッグスの動きをヒョイっと避けてしまう。

「無駄無駄。貴様と私の強さは剣術・知識以外にも速さが段違いだから。」

ブラッグスが遥の方を見ると、既にそこには遥はいなかった。

「どこを見ている。私はここだぞ。」

ブラッグスは後ろを振り向くと、そこには遥はいなかった。

「どうした?私はここだぞ?」

「ん、だぁぁ!!ちょこまかとぉ〜〜〜〜小娘がぁ〜〜〜力では勝てないくせにぃ〜〜〜!!」

すると遥はブラッグスの前で動きを止めた。

「これは『瞬動』と言ってな。瞬時に動くって意味そのものの技だ。今みたいに撹乱するのが効率的でな。」

「瞬動・・・?」

困惑するブラッグス。無理もないことだ。

瞬動は遥ぐらい武芸を極めた人では使えないからだ。普通はお目にかかる事はない。

「ではその首貰い受けるぞ」

『瞬動』を使いブラッグスの背後に回り首を腕で固定して、首に刃を近付ける。

「な、何をするぅ〜〜〜のだ〜〜〜!!ひ、その刀ヒンヤリするぅ〜〜〜〜怖いよぉ〜〜〜〜死にたくなぁい〜〜〜!!」

「大丈夫だ。私がやれば痛みすら感じないから。」

その瞬間、遥の刃がブラッグスの首を一瞬で切り落とした。

遥の顔には返り血がかかっていたが着物にはかかっていない様であった。