はあ……

ため息をついてベッドにダイブする。


結局、愛海の質問には「わからない」と答えた。


幼い頃のことを誰かに話して、気持ちの整理ができたような気がする。

ずっと前から、嫌いになる必要なんてあったのかって思っていた。


でも今日、愛海に話してわかった。



お母さんを奪われたから?

それって本当にりっくんのせいなの?


……奪われたんじゃない。

私はただ、りっくんに嫉妬したんだ。




大人になったら本物の指輪をくれるって

約束したことを、忘れたことあった?


りっくんから貰ったビーズの指輪を

今でも大切にしまっているのは

どうして?



私は本当にりっくんのこと、嫌いなの?



言葉では嫌いって言っても、

嫌いになろうとしても、

忘れようとしても、


できなかった。


私はりっくんのことが



大好きだから。