あたしの動きが止まる。


「あたしが裏切った!!」


「なに、言ってんの……?」


写真を取ってしまえばいいのに、梨花子の言葉に体が動かなくなってしまった。


あたしの隣に置かれている梨花子の写真に視線が向かう。


「あたしは影でみんなの悪口を言った! だって、あたしだけ高校から仲良くなって、なかなか打ち解ける事もできなくて!! 仲の良いみんなを見てて、嫉妬して……!!」


そう叫ぶ梨花子の声は、微かに震えている。


自分が裏切者だと叫びながらも恐怖しているのがわかった。


「だからみんな……あたしの写真を取って」


時間が……ない。


あたしの手は動いた。


写真を握りしめて抱きかかえる。


秒を刻む長い針が、タイムリミットを告げた……。