ヴァーチャル・リアリティ

刻印を押した当人たちに疑問の目が向けられるのは当然のことだけど、心の準備ができていなかった。


「棒だよ。先が燃えてた」


そう答えたのは梨花子だった。


「うん。先端は燃えてて、×印を押すようになってた」


あたしはすぐにその後を続けた。


嘘をついているように思われることが嫌だったからだ。


「それを、アユと悠太郎の体に押し当てたのか?」


晴道の声色が険しくなる。


まずい。


そう思うけれど上手な言葉が見つからない。