ヴァーチャル・リアリティ

見ていて影で楽しんでいるのだろうか。


そんな気がしたのだ。


少しの吐き気を感じていると、目の前にキッチンが現れた。


これも今までと同じどこにでもあるようなキッチンだ。


「このゲーム、なんか変だぞ」


そう言ったのは晴道だった。


「さっきの悲鳴はなんなんだよ。どうして次の部屋に進むことができる?」


晴道の意見は最もだった。


「あたしもそう思う。できたらリタイアしたメンバーと話がしたい」


そう言ってみても、もうアナウンスの声は聞こえてこない。


アユと悠太郎は本当に大丈夫なんだろうか?


「2人とも、刻印ってどんなものだったんだ?」


晴道の言葉にあたしも梨花子も咄嗟には反応できなかった。